心を鬼にして

現実を知る
04 /17 2017
T病院へ行く4/12(水)の朝が来た。

愛美は昨日、一昨日と小学校に行ったが、今日は休ませるしかなかった。

体力的には、既に通学の往復ですら疲れてしまうようだった。



症状の進行状況を考えると、今日は朝一番で病院に乗り込みたかった。

しかし、我が家から都心のT病院へは電車で1時間くらいかかる。

体力がなくなっている今の愛美には、朝の通勤ラッシュはきついだろう。

少し時間をおいて出発した。



それでも、電車内は混雑していて、愛美を座席に座らせることが出来なかった。

愛美は電車に揺られながら、座席横のポールを抱きかかえるように両手で握り締めている。

文句や泣き言を言わず、じっと一点を見つめて立っている愛美の姿を見て、涙が出そうになった。



それから、電車を降りて徒歩5分くらいでT病院に着いた。

入口をくぐると、院内には既に沢山の人がいた。

受付で紹介状を渡して、案内された診察室へ向かう。

受付では、「患者さんが沢山いるので、少し待つと思います。」と言われたので覚悟はしていたが、診察室前のベンチには、既に順番を待つ外来患者で埋まっていた。

何せ、ここは大病院だ。

「こりゃ、相当待つね・・・」

そう覚悟を決めた時、意外にもすぐ名前を呼ばれた。

M先生の紹介だったからか、または、少しでも急がなければいけない症状だったからか、どちらかわからないが優先してくれたのは確かだった。



初めて会うY先生に挨拶する間もなく、先生は切り出した。

先生:「今までの病院でホルモン検査はした?」

僕:「いえ、してません。」

先生:「どんな症状がある?」

僕:「えっと、疲れやすくていつも寝てます。水分も異常に欲しがります。ここ数年、身長はほとんど伸びていないのに、体重は半年で8キロ増えました。それと、目も悪くなってて、たまに頭痛も・・・」

先生:「わかった。まずは必要な検査をするので、すぐに小児科の方へ行ってください。」



その対応の早さに戸惑いつつ、この病院なら期待できるかもしれないと思った。



小児科では、採血と手の骨のレントゲンを撮った。

その結果とS総合病院から持ってきたMRI画像をふまえて、僕ら夫婦だけに小児科のI先生から説明があった。

I先生は、現段階でホルモンが足りていないことと、命にかかわる水頭症を起こしかけていることを説明してくれた。



この結果、即日入院を勧められた。

愛美に入院の話をすると、予想通り嫌がった。

僕ら夫婦もそうだが、今日はとりあえず診察だけだろうと思っていたからだ。

心の準備が出来ていない。



愛美は、今日だけは帰りたいと駄々をこねたが、症状を考えると一日でも早く入院すべきなのは明らかだった。

僕は心を鬼にして愛美を説得した。

愛美は唇をかみしめてうつむいていた。



愛美も僕も、我慢はしていたが、心は泣いていた。


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まなみのぱぱ

脳に腫瘍を持つ娘の父親です。