生検手術 (入院16日目)

入院生活
04 /29 2017
【4/27(木)・入院16日目】

いよいよ生検手術の日が来た。

緊張していたのか、昨夜はよく眠れなかった。

目覚ましのアラームが鳴る前に、自然に目が覚めた。



手術は、朝一番の9時から始まる。

僕ら夫婦は、病院に8時に着くように家を出た。

電車は、ちょうど通勤ラッシュの時間帯だ。

この時間帯の電車に乗るのは、何年ぶりだろう。

そもそも、独立してからは車での移動がほとんどなので、電車に乗る機会が少ない。



電車の中は、身動きが取れないほどの超満員だった。

久しぶりのラッシュは、体にこたえる。

しかし、こんなことを辛いと思っているようでは話にならない。

今まで、愛美はもっと辛い思いをしてきたのだ。

支えなければいけない僕が、この程度のことで辛いなんて思っていたら申し訳ない。



病院に着くと、愛美は既に手術着に着替えていた。

不安そうに窓の外を眺めている。



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看護師に呼ばれ、手術室に向かう。

今にも泣き出しそうな表情の愛美は、自ら僕と妻の手をとった。

愛美を真ん中にして、3人で手をつないで、手術室へ向かった。



僕らが一緒に行けるのは、手術室の手前までだ。

「寝て、起きれば終わってるよ。大丈夫だからね。」

僕の言葉に愛美は静かに頷き、看護師に付き添われて中に入っていった。



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午前9時。手術が始まった。



愛美が手術室に入った後は、しばらくその場から動けなかった。

生検とはいえ、脳への手術だ。

万一の出血が、不安で仕方なかった。

とにかく無事に終わって欲しい。

ひたすら祈った。



その後は、手術後用に用意された、個室の病室で待機する。


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手術は3時間くらいかかると説明を受けていた。



待っている間は、普段より時間の進みが遅く感じる。

何度も時計を見る。

落ち着かない・・・。




10時半頃、小児科のO先生が、途中経過を教えに来てくれた。

「手術は順調に終わったようです。これから骨を戻して縫うので、あと1時間くらいです。」



予定よりかなり早い。

順調に進んだ証拠だ。

僕は少しほっとした。



11時頃、再度O先生が来た。

「終わりましたので、迎えに行きましょう。」



早い。

3時間の予定だった手術は2時間ほどで終わった。



O先生の後にぴったりついて、手術室へ急ぐ。

本当に無事に終わったのか・・・ただそれだけを早く確認したかった。



手術室の前に着くと、ベッドに乗せられた愛美が出てきた。

「愛美ちゃん、パパとママがいるよ。」

目を閉じたまま、片手をあげる愛美。

良かった・・・その姿を見て、ようやく安心した。


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本人は暑いのか顔を真っ赤にしていた。

横にいる看護師がうちわで扇いでくれる。

意識ははっきりしているが、麻酔のせいなのか、痛み止めのせいなのか、ずっと目を閉じたままだ。



それからしばらく愛美は、目を閉じたままほとんど動かなかった。



手術を担当したN先生から、説明があった。

「腫瘍の一部を取りました。やるべきことは出来たし、出血もありません。水頭症も少し改善しました。」

良かった。

手術は問題なく終わった・・・本当に良かった・・・。



ただ、これで全てが終わったわけではなく、現実的にはまだまだ先は長い。

それでも、今日、愛美はひとつの大きな壁を乗り越えたのだ。



「頑張ったね、愛美。」

僕のその声に、愛美は目を閉じたまま静かに1回だけ頷いた。



気が付くと、さっきまでの張りつめた空気とは違い、穏やかな時間が病室に流れていた。


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コメント

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三田さん

コメントいただきありがとうございます。

メールさせていただきました。

まなみのぱぱ

脳に腫瘍を持つ娘の父親です。